【10月6日 AFP】アフガニスタン北部クンドゥズ(Kunduz)の病院が米軍による空爆を受け、22人が死亡した問題で、同国駐留米軍のジョン・キャンベル(John Campbell)司令官は5日、旧支配勢力タリバン(Taliban)による攻撃を受けたアフガニスタンの治安部隊からの要請を受け実施されたものだったと発表した。この問題で米軍が空爆の実施を認めたのは初めて。

 3日にAC130対地攻撃機が実施したこの空爆について、米軍は当初、攻撃を受けた自国の部隊が空爆要請を出したと説明しており、キャンベル司令官の発表はこれと食い違っている。同院で外傷センターを運営していた国際医療支援団体「国境なき医師団(Medecins Sans FrontieresMSF)」はこれを受け、米国の説明の「矛盾」を非難する声明を発表した。

 キャンベル司令官は記者団に対し、「10月3日にアフガニスタン治安部隊から、敵陣からの攻撃を受けているとの報告と、米空軍による空爆支援の要請を受けた」「タリバンの脅威を排除するために空爆が行われ、その際に複数の民間人が誤って被害を受けた」と発表した。

 さらに同司令官は、要請を受けたのはアフガニスタン治安部隊の顧問を務める米特殊部隊だったと述べたが、その特殊部隊が今回の空爆にどこまで関与していたかについては明らかにしていない。

 同司令官は、米軍の出動規定に関する発言は避けたものの、透明性のある徹底した調査を約束し、「もし過失があったとすれば認める」「責任を負う者に説明責任を取らせ、過ちを繰り返さないための措置を講じる」という方針を示した。

 MSFは同院の外傷センターを閉鎖。「戦争犯罪が行われたというはっきりとした推定の下」での独立機関による調査を要求している。(c)AFP