【10月4日 AFP】ラグビーの国際統括団体ワールドラグビー(World Rugby)は3日、南アフリカの故ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領の殿堂入りを発表した。

 南アフリカ初の黒人大統領になったマンデラ氏は、1995年のラグビーW杯でスプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)のジャージーに身を包み、当時の主将フランソワ・ピナール(Francois Pienaar)に優勝トロフィーを手渡したが、この映像は今でもラグビーの歴史に残る瞬間として、人々の心に刻まれている。

 アパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃された南アフリカで、白人至上主義の最後の砦(とりで)とされていたラグビーW杯が開催され、その代表チームに黒人の大統領がトロフィーを渡す瞬間は、生まれ変わった同国の姿を反映しているようだった。

 殿堂入り式典は、南アフリカ対スコットランドの試合を控えたニューカッスル(Newcastle)で行われ、ワールドラグビーのベルナール・ラパセ(Bernard Lapasset)会長は、南アフリカのスポーツ・レクリエーション省のゲルト・ウーストハイゼン(Gert Oosthuizen)次官と、元代表チーム主将のピナ―ル氏に、殿堂入りの証しであるキャップを贈呈した。

 ラパセ会長は、「1995年のラグビーW杯を開催した南アフリカが、スポーツの力によって一つになったのは、マンデラ氏の功績が大きい」とすると、「優勝したスプリングボクスを情熱的に、また先頭に立ってサポートしたことで、マンデラ氏は自国の歴史のために人々の姿勢や心構えを変え、価値観に訴えかけた。その過程はわれわれにとっても素晴らしい模範になった」と述べた。

「その歴史的な大会から20年が経った今、われわれは元大統領の殿堂入りをうれしく思います」

(c)AFP