【9月30日 AFP】米カリフォルニア(California)州の海岸では今年に入り、打ち上げられた、もしくは死んだ状態で発見されたオットセイの数が80頭に達し、通常の8倍に上っていることが分かった。研究者らが29日、明らかにした。

 米海洋大気局(National Oceanic and Atmospheric AdministrationNOAA)によると、うち42頭は死んだ状態で発見され、残りはまだ生存していたものの、餓死寸前だったという。

 NOAAは、海岸に打ち上げられた、もしくは死んだオットセイの数を踏まえ、「異常な大量死事象(Unusual Mortality Event)」の発生を宣言。この宣言により、連邦政府によるオットセイ保護のための補助金の割り当てが増額される可能性もある。

 打ち上げられたオットセイの一部を保護しているNPO「海洋哺乳類センター(Marine Mammal Center)」のテナヤ・ノリス(Tenaya Norris)氏は、海水温の上昇によりオットセイが採食できる餌に変化が起きたことが原因だとし、「今回打ち上げられたオットセイたちは、太平洋岸の沖合でみられる異常な海水温の上昇によって影響を受けた数多くの動物たちの一例に過ぎない」 と述べた。

 オットセイは19世紀後半、狩猟のため絶滅寸前にまで追い込まれ、現在の生息数は約1万頭とされているが、その生態についてはほとんど分かっていないという。(c)AFP