【9月29日 AFP】(一部更新、写真追加)台湾当局は29日、大型の台風21号(アジア名:ドゥージェン、Dujuan)による被害で、これまでに3人が死亡し、346人が負傷したと発表した。台湾に吹き荒れた台風21号は、各地で地滑りの被害ももたらしている。

 台風21号は台湾北部に大きな被害をもたらした。台湾での台風21号による負傷者の多くは、飛んできた破片や交通事故によるものだと現地の災害対応センター(Emergency Operation Centre)は伝えている。

 また、強風で木が根こそぎ倒れ、ガラスが割れるなどの被害が出た他、大雨により各地で地滑りが起きた。当局によれば、1万2000人以上が避難し、約3000人が避難所で過ごしているという。

 台湾では29日、学校が休校となったほか、株式市場も休場となった。一番多かった時で200万戸の住宅が停電し、現在も17万5000戸以上で停電が続いている。

 台湾東部・宜蘭(Yilan)県では高波で海沿いのホテルの窓が壊れ、台北(Taipei)の超高層ビル「台北101(Taipei101)」も猛烈な風により一部が破損した。

 新竹(Hsinchu)県では建物の20階からクレーンが落下し車に当たったが、負傷者はいなかった。台北で28、29の両日に予定されていた米ロックグループ、ボン・ジョヴィ(Bon Jovi)の公演はキャンセルされた。

 中国の国営新華社(Xinhua)通信によれば、台風21号は29日午前中、中国・福建(Fujian)省の港湾都市プーティエン(Putian)を直撃したが、今のところ被害の情報はない。新華社によると台風21号は勢力を弱めつつあり、29日夜に江西(Jiangxi)省に達すると予報されている。(c)AFP/Michelle YUN