■「火星は不毛の惑星ではない」

 火星には、かつて大量の水が液体の状態で存在し、現在もその地下に氷に凍結した形で水が存在するとする説は、広く受け入れられている。NASAは今年、火星の北半球の約半分はかつて、水深が1600メートル以上に達する海だった可能性があると発表していた。

 NASAの惑星科学部長、ジム・グリーン(Jim Green)氏は、28日に開いた記者会見で、「火星はこれまで考えられていたような、乾燥した不毛の惑星ではない」「特定の状況下で、液体の水が火星上で発見された」と語った。

 宇宙飛行士で、NASA科学観測本部(Science Mission Directorate)のジョン・グランスフェルド(John Grunsfeld)次長は「火星に液体の水が存在することにより、たとえそれが高濃度の塩分を含む塩水でも、火星に生命が存在するのであれば、どのようにして生存している可能性があるかについて説明する方法が得られる」と話した。

 火星に生命が存在するかどうかという問いは今や「答えを出すことが可能な具体的な」ものとなっているとグランスフェルド次長は指摘した。(c)AFP