【9月28日 Relaxnews】エチオピア・アディスアベバ(Addis Ababa)で20日、サブサハラ(サハラ砂漠以南の地域)では初の例となる、近代的な路面電車(トラム)が開業した。アフリカ第2位の人口を抱える同国の首都アディスアベバでは、中国の大規模な投資によって完成にこぎつけたこのインフラプロジェクトを、経済発展における重要な一歩を画するものとして歓迎する声が上がっている。

 開通式のリボンカット・セレモニーが行われる前には、すでに数百人もの住民たちが、1日で最大6万人の利用が見込まれる路面電車にいち早く乗車しようと列をつくった。

 全2路線の総延長距離が34キロという路面電車は、中国鉄道グループ株式会社(China Railway Engineering CorporationCREC)が建設。総工費4億7500万ドル(約570億円)のうち85%は、中国輸出入銀行(China Exim Bank)が出資した。

 第1便に乗り込もうと、2時間も列に並んだというデレジェ・ダバ(Dereje Daba)さんは、「とてもわくわくしており、エチオピア人として誇りに思う。私たちは長い間、この時を待ちわびていた。路面電車のおかげで公共交通機関の不足が緩和されるだろう」と話した。

 市内中心部のカフェで働くダバさんの場合、路面電車が開通したことにより、これまでは1時間かかった通勤時間が、わずか20分にまで短縮されるという。現在のところは2路線中、南北を結ぶ路線のみの開通となっているが、来月には東西を結ぶ路線が開通する予定となっている。

 また運賃は、住民たちが利用しやすいよう、30セント(約36円)未満にまで低く抑えられている。(c)Relaxnews/AFPBB News