【9月28日 AFP】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VolkswagenVW)による排ガス規制逃れ問題で、独メディアは27日、排ガス試験での不正に使用したソフトウエアが違法だとの指摘が同社社員や部品メーカーから数年前に出ていたが、同社はそれを無視していたと報じた。

 独紙ビルト日曜版(Bild am Sonntag)によると、問題のソフトウエアを開発した自動車部品メーカーのボッシュ(Bosch)は2007年、VWグループに対し、ソフトウエアはあくまで試験用であり、道路上での使用は違法となると警告していた。ボッシュの広報担当者は、ビジネスパートナーと交わした守秘義務の合意を理由に、この報道に関するコメントを拒否した。

 また、独紙フランクフルター・アルゲマイネ日曜版(Frankfurter Allgemeine Sonntagszeitung)によると、2011年にはVWの社員も同ソフトウエアが法律違反となる恐れがあると指摘していたという。

 同紙は、この問題で引責辞任したマルティン・ウィンターコルン(Martin Winterkorn)最高経営責任者(CEO)に言及し、「ウィンターコルンは何を知っていたか」との見出しを掲げた記事で、VWの匿名の監査役会筋の話として、これまでの内部調査では、警告を受けた経営陣が行動に出なかった理由の解明には至っていないと報じた。

 一方、ビルト日曜版によると、ドイツ連邦自動車局(KBA)はVWに対し、問題のソフトウエアなしで排ガス規制を満たす措置とその予定表を10月7日までに提示するよう求めた。VWがこれに従わない場合は、関連モデルの承認取り消しもありうるという。承認が取り消されれば、販売と独国内の道路での移動が不可能となる。(c)AFP/Frank ZELLER