【9月26日 AFP】ジョン・ベイナー(John Boehner)米下院議長(65)が25日、今年10月末で議長を辞任すると表明した。議員も辞職するという。

 25年間の議員生活を送り、5年近く下院議長を務めたベイナー氏は、議会にローマ法王を招くという20年来の夢を24日にかなえ、法王の横で涙を流したばかりだった。

 共和党内の保守派から、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と民主党に対して弱腰だと責められ続けてきた同議長の辞任によって、共和党内の分裂が浮き彫りになった。また、来年11月の米大統領選挙で下院の主導権争いも激化する見通しだ。

 ベイナー議長は記者会見で、「下院、そしてこの国の将来には素晴らしいことが待っている。私たちがこれまでに達成してきたことを誇りに思う。議会に仕えられたことは光栄だった」と語り、涙を流した。

 同議長は、自分の第一の仕事は下院を守ることだったとしながらも、「指導部の混乱が長引けば、議会に取り返しのつかないダメージをもたらすことが明らかになった」と述べた。

 一晩、熟考した末、25日朝に決断したというベイナー議長の突然の辞任発表に、首都ワシントン(Washington D.C.)には大きな衝撃が走った。

 歳出法案をめぐる与野党の対立が続けば、10月1日に政府機関閉鎖を余儀なくされるため、議会はそうした事態をなんとか回避しようとしている。下院歳出委員会(House Appropriations Committee)のハル・ロジャース(Hal Rogers)委員長は、「(ベイナー議長の辞任は)ショックだ」と語った。

 ロジャース委員長は、ベイナー議長の辞任発表で近日中の政府機関閉鎖の恐れは小さくなると述べたが、ベイナー議長の辞任を求めてきた党内の保守派議員が議長職に就く可能性については、慎重に見守ることになるだろうと述べた。