【9月26日 AFP】スイスの検察当局は25日、国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が、欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)会長に対し、200万ドル(約2億4000万円)を不正に支出したのではないかとの疑惑で捜査を開始し、FIFAの汚職スキャンダルはサッカー界の二大巨塔をも巻き込んだ。

 スイス検事総局はブラッター会長の事務所の家宅捜索を行うとともに、プラティニ会長にも事情聴取を行った。

 検事総局は、「背任や横領の容疑で2015年9月24日にFIFA会長のジョセフ・ブラッター氏の捜査を開始」したと発表。ブラッター会長は「容疑者」として取り調べを受け、事務所での捜索によりデータが押収された。一方でプラティニ会長は、「参考人」として聴取を受けている。

 ブラッター会長は、FIFA幹部の汚職スキャンダルを受けて辞任を表明しており、プラティニ会長は来年2月に行われる次期会長選挙で最有力候補とみられている。プラティニ会長は2007年1月にUEFAの会長に就いており、自動的にFIFAの副会長にも就いている。

 ブラッター会長の弁護士は、同会長が捜査に協力しているとするとともに、背任行為を示す証拠はないと述べている。

 検事総局によると、ブラッター会長はFIFAの経費から200万スイスフラン(約2億4000万円)をプラティニ会長へ不正に支払った疑いがもたれている。支払いは、1999年1月から2002年6月にかけての業務の報酬として、2011年2月に行われた。

 プラティニ会長は25日、「報酬はFIFAとの契約において行った業務に関連したもの」であるとコメントしている。

 元FIFAの内部関係者はAFPに対し、検事総局の発表で言及されただけではあるものの「プラティニ会長は深刻な打撃を受けた」とし、「ブラッター会長はもう終わった。プラティニ会長は聴取されたことから立ち直るために苦しむことになるだろう」と付け加えている。

 ブラッター会長はまた、カリブ海サッカー連合(CFU)と「FIFAにとって不利益」な契約を結んだ疑いももたれている。(c)AFP