【9月22日 AFP】2020年東京五輪のエンブレムが自身の作品に酷似しているとして、ベルギー人デザイナーのオリビエ・ドビ(Olivier Debie)氏が国際オリンピック委員会(IOC)を相手取り訴えを起こしていた問題で、共同原告のリエージュ劇場(Liege Theatre)はこれを取り下げると発表したが、ドビ氏は訴訟を継続する構えであるという。

 ドビ氏は8月、佐野研二郎(Kenjiro Sano)氏がデザインした東京五輪のエンブレムについて、自身がベルギーの劇場のために作ったロゴを盗用したものではないかと主張し、ベルギーの裁判所へ訴状を提出した。

 しかし21日、予備審問を数時間後に控えて、リエージュ劇場が訴訟を取り下げると発表した。

 劇場側は声明で、「問題のロゴの著作権を有するリエージュ劇場は、IOCを相手取り行われている訴訟の手続きを撤回することに決定しました」と述べた。

「IOCによる弁解と、提出された証拠を確認した後、佐野氏のデザインしたロゴが使用中止になったことを受け、問題のエンブレムがわれわれのロゴに似ていても、著作権を侵害する行為ではないと考えました」

 それでもデビ氏の弁護士は、自身のクライアントが訴訟を継続する構えであるとAFPに明かした。

 弁護士によると、デビ氏は、IOCがデザインの盗用について見て見ぬふりをしたと認めるまで、「いかなる状況下でも」訴訟を取り下げることはないと考えているという。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(The Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は先日、盗用疑惑により批判を浴びていた大会エンブレムを使用中止にすることを発表した。(c)AFP