【9月21日 AFP】2016年米大統領選の共和党指名候補争いで有力候補の一人と目されている元神経外科医のベン・カーソン(Ben Carson)氏が20日、イスラム教徒は米大統領になるべきではないと発言し、物議を醸している。

 カーソン氏は米NBCテレビの番組「ミート・ザ・プレス(Meet the Press)」のインタビューで、米大統領となるのに信仰は問題となるかと質問され、「その信仰が何かにもよる。米国の価値観や原則と矛盾する信仰なら当然、問題視されるべきだ。だが、米国の領域に収まり、憲法と一致した信仰なら、問題はない」と答えた。

 さらに、イスラム教は合衆国憲法と一致するかと問われると、カーソン氏は「そうは思わない」と答え、「イスラム教徒にこの国を任せることには反対だ。断固、賛成しかねる」と述べた。

 この発言を受け、米イスラム関係評議会(Council on Islamic-American RelationsCAIR)はカーソン氏について、米大統領には不適格な人物だと批判した。

 米大統領選における信仰問題は、共和党予備選で支持率トップを走る不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が先日の選挙集会で、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領はイスラム教徒だと参加者の一人が主張した際に放置したことがきっかけで急浮上した。

 自身を敬虔(けいけん)なキリスト教徒だと公言しているカーソン氏は、オバマ大統領については米国生まれのキリスト教徒だと信じていると述べている。カーソン氏はここしばらく支持率でトランプ氏に次ぐ2位を維持していたが、20日発表の最新世論調査では順位を3位に下げている。(c)AFP