【9月20日 AFP】カナダの保守党政権は19日、出入国管理当局に対する申請手続きの簡素化と迅速化を進め、シリア難民の受け入れを1年内に1万人とする方針を表明した。

 市民権・移民省の発表によると、今後は難民認定申請の際に、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)による証明を不要とする。その代わり、紛争地域を逃れた人々が難民の定義を満たしていると仮定して手続きを速める。これでシリア人1万人の定住を目指す現在の取り組みを、従来の予定より15か月前倒しして来年9月までに達成する。カナダは既にイラク人2万3000人の受け入れに取り組んでいるが、こちらも今年末までに履行する。

 市民権・移民省は、出入国管理当局が申請者との面接にあたって「身の安全と犯罪性、健康診断」を重視すると付け加えた。

 与党・保守党はここ数週間、地中海(Mediterranean)を渡り欧州に流入しているシリア難民への支援に時間がかかり過ぎるとの批判を浴びていた。野党は来月19日に行われる総選挙で、政権を奪取した場合にはシリア難民に寛容な政策を取る方針を掲げる。スティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相率いる保守党は、中道左派政党と接戦を展開している。(c)AFP