【9月16日 AFP】国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)のイリナ・ボコバ(Irina Bokova)事務局長は16日、シリアの複数の古代遺跡が「桁違い」の略奪にあっていると警告した。売り上げはイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の資金源になっているという。

 ボコバ事務局長はブルガリアのソフィア(Sofia)で記者会見し、「衛星写真で、シリアの遺跡に数千か所の違法発掘の跡が見つかっている。途方もない規模の略奪が行われている」と語り、「文化財の密売を抑えることが最優先だ。過激派の資金源になっているからだ」と述べた。

 民間の遺跡保護団体「シリア遺跡保護協会(Association for the Protection of Syrian ArchaeologyAPSA)」によると、4年に及ぶ内戦と、ISによる広い地域の支配により、遺跡や発掘現場900か所以上が略奪、損壊、あるいは破壊された。ISは、今年5月に掌握したシリア中部の古代遺跡パルミラ(Palmyra)では複数の塔墓を破壊している。(c)AFP