【9月15日 Relaxnews】英スコットランド(Scotland)の詩人・作家のウォルター・スコット(Walter Scott)がロマンチックに描いた風景を駆け抜ける新鉄道路線が9日、開通式典をもって正式に開業した。

 スコットランド南東部スコティッシュ・ボーダーズ(Scottish Borders)州に復活したのは同州の列車網、ボーダーズ鉄道(Borders Railway)の一路線で、スコットの小説シリーズにちなんで名付けられたウェイバリー・ルート(Waverley Route)だ。1969年に不採算路線として廃線となった全48キロがリニューアルし、式典に先立ち今月6日、46年ぶりに運行を開始した。

 9日の式典にはこの日、英君主在位期間の最長記録を更新したエリザベス女王(Queen Elizabeth II、89)も出席した。女王も夫のフィリップ殿下とともに、エディンバラ(Edinburgh)のウェイバリー(Waverley)駅から乗車した。同州のデビッド・パーカー(David Parker)議員はAFPに対し「英連邦(Commonwealth)のどこにでもいることができる女王が(この日に)スコットランドをたたえることを選んだ」と歓迎した。

 当初は主に地元住民の乗車を想定していたが、スコットの歴史小説「アイバンホー(Ivanhoe)」や「ロブ・ロイ(Rob Roy)」の舞台であることや、その雄大な風景のおかげで今後、新路線が観光スポットになる可能性がある。

 スコットランドの暮らしを紹介するライフスタイル誌、スコティッシュ・フィールド(Scottish Field)の編集者、リチャード・バース(Richard Bath)氏は「スコットランドはキルトやバグパイプ、タータンチェック、ウイスキー、ゴルフなど、多くの明確な民族的シンボルを持っている。英国の他の地域とは違うことを、世界中の人々に分かってもらえるだろう」と語る。

 スコットランドは昨年、英国からの独立の是非を問う住民投票で注目を集めたことに加え、ゴルフのライダーカップ(Ryder Cup)やコモンウェルスゲームズ(Commonwealth Games、英連邦競技大会)といったスポーツイベントの開催により、旅行者数が前年比70万人増の1550万人に達した。(c)Relaxnews/AFPBB News