【9月14日 AFP】米世論調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)はこのほど、科学に関する米国人の基礎知識が平均的水準だとする調査結果を明らかにした。調査では、教育水準や性別、民族、世代による差も明らかになったとしている。

 成人3200人を対象に行われた調査では、正解数の中間値は12問中8問だった。8~9問正解は全体の約27%、10~11問正解は26%で、全問正解は6%にとどまった。

 調査結果によると、天文学と占星術の違いを全体の76%が理解しており、地球の内部構造で温度が最も高い部分が核であるとの解答も同86%に上った。また、原子力発電や核兵器生産にウランが使われていると同82%の人が答えることができた。

 他方、ポリオワクチンの開発者を選ぶ質問で、正解のジョナス・ソーク(Jonas Salk)を選択したのは74%。他の選択肢は、放射線研究者のマリ・キューリー(Marie Curie)、理論物理学者のアルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)、古典力学や近代物理学の祖であるアイザック・ニュートン(Isaac Newton)だった。

 ただ、その他の質問では正解率が低かった。一例を挙げると、音波で音量を決定しているのは振幅の大きさであると理解していたのは全体の35%にとどまった。また、水の沸点が気圧で変動し、標高が高くなると沸点が下がることを理解していた解答はわずか34%だった。

 当然ながら、教育水準が高いほど正解数も多かった。10~12問正解した解答者のうち、大学院修了者は全体の57%を占め、高校卒業以下は18%だった。

 平均正解数を性別で見ると、男性は12問中8.6問、女性は7.3問。10問以上の正解者は、女性が全体の約24%だったのに対し、男性は43%だった。また、白人の正解数は12問中8.4問と、ヒスパニックの7.1問、黒人の5.9問を上回った。世代別では、18~49歳は65歳以上の高齢者に比べて、科学知識が全般的に豊富だった。平均正解数は高齢者が7.6問だった一方、18~49歳は8問以上だった。

 米国人に化学が苦手な人が多いことは、昨年の米国立科学財団(National Science Foundation)の調査でも明らかになっていた。この調査では、地球が太陽の周りを公転していることを知らない人が25%を占めていた。(c)AFP