【9月10日 AFP】不倫専用出会い系サイト「アシュレイ・マディソン(Ashley Madison)」のハッキング事件で、氏名を公表された米国人聖職者が、その6日後に自殺していたことが分かった。聖職者の妻が9日、米CNNテレビで公表した。

 カナダを拠点とする同サイトから先月流出した利用者3200万人の顧客情報をめぐっては、同国の警察が、関連するとみられる自殺がこれまでに少なくとも2件あったことを明らかにしている。しかし、詳細について開示されていないため、死亡したこの56歳の聖職者がこのうちの1人かどうかは分かっていない。

 遺体は先月24日、米ルイジアナ(Louisiana)州ニューオーリンズ(New Orleans)の自宅で、不安や羞恥心について記された遺書とともに自殺した聖職者の妻によって発見された。

 ニューオーリンズ市内のスタジオに、成人した息子と娘に付き添われて登場した妻は、「彼は、自身の氏名がそこにあったことや、絶望感について語っていた。そして、ただひたすら、本当に申し訳ないと言っていた。何事にも、父親や夫、友人を失うほどの価値はない。本当に、そんな価値はまったくなかった」と語った。

 自殺した聖職者は、神学校で教える立場にもあった。また、過去にうつ病や薬物中毒に苦しんだこともあるとされ、仕事を失うことを心配していたという。(c)AFP/Mira OBERMAN