【9月9日 AFP】米南部ケンタッキー(Kentucky)州で、自らのキリスト教信仰を理由に同性カップルへの結婚許可証発行を拒否し収監されていた郡書記官が8日、釈放された。

 ローワン(Rowan)郡のキム・デービス(Kim Davis)書記官(49)は、連邦最高裁判所が今年6月に全米で合法化した同性婚に反対し、結婚許可証の発行を拒否したことから先週、法廷侮辱罪で収監されていた。同書記官は同性婚に反対する米国人数百万人のヒロインとなり、同性婚に対する論議を再燃させた。

 デービッド・バニング(David Bunning)連邦地裁判事は、同郡の副書記官6人中5人が全てのカップルに結婚証明書を出すと宣誓したことを受け、デービス書記官の釈放を命令。同書記官に対し、もし結婚証明書の発行を直接または間接的に妨害すれば、処罰を下すと警告した。収監施設を出たデービス書記官は、詰めかけた大勢の支持者に対し感謝の言葉を述べるとともに、神をたたえる言葉を繰り返した。

 米大統領選の共和党候補者らは、相次いでデービス書記官支持を表明し、同書記官の収監は同性婚反対派が宗教的迫害に苦しんでいることを裏付ける証拠だと主張している。前アーカンソー(Arkansas)州知事のマイク・ハッカビー(Mike Huckabee)候補は収監施設を出る同書記官に付き添った他、施設前で開かれた支持者の集会を主催。上院議員のテッド・クルーズ(Ted Cruz)候補は同集会で演説はしなかったが、同書記官とその夫と面会した。(c)AFP/Mira OBERMAN