【9月8日 AFP】(一部更新、写真追加)レバノンの保健省は8日、中東の広範囲を覆った巨大な砂嵐により、病院へ搬送された女性2人が死亡、700人以上が呼吸器障害で治療を受けていると発表した。

 死亡した女性2人は共にレバノン東部のベカー高原(Bekaa Valley)で砂嵐の被害に遭った。保健省によれば、砂嵐による窒息や呼吸困難を生じた人は750人に上っている。ワイル・アブファウル(Wael Abu Faour)保健相は8日に砂嵐被害に関する緊急会議を招集する。

 レバノン国内には110万人以上のシリア難民がいる。その多くはレバノン国内の数十か所に存在する、粗末なテントが張られた非公式な難民キャンプにいる。砂嵐はそんな難民キャンプも容赦なく襲った。

 レバノン政府科学研究委員会の事務局長は、衛星画像から砂嵐はイラクで発生したとみられると述べるとともに、「レバノンで砂嵐は年に2~3回発生し、発生時期は3月や4月の春季が多い。今日ほど濃い砂嵐はまれだ」と語った。レバノンの気象当局によれば、砂嵐が弱まり始めるのは9日夜からになる見込み。(c)AFP