【9月3日 AFP】中国の首都・北京(Beijing)の天安門広場(Tiananmen Square)で3日、抗日戦争勝利70年を記念し、招待客や外国首脳らを前に1万2000人の部隊が行進し数百台の戦車やミサイルが公開される大規模な軍事パレードが行われたが、一般の北京市民は見ることを禁じられた。

 パレード場所から数百メートルの所にはバリケードが設置され、警官隊や青いシャツを着たボランティアらが人影のない通りへのアクセスを遮断。パレードの行われる通りに面した家の住民らは、バルコニーに出たり窓を開けたりしないよう命じられた。

 約百人の市民が交差点に集まり、パレードを遠くからちらっと見ようと試みたが、失望に終わり、ほとんどの人はスマートフォン(多機能携帯電話)でライブ中継を見た。

 ある20代の男性は、安全を確保する必要性は理解できるとしながらも、当局の対応には懐疑的だとしている。「我々は、幼少期から日本人を嫌うよう洗脳され、日本人を亡霊と呼んでいる。だから、指導部が権力を誇示する今日のショーを正当化するのは簡単なことだ」と語った。

 習近平(Xi Jinping)国家主席が記念式典で話し始めた時、この男性はライブ中継を切断してスマホをポケットにしまった。「面白いことは何も言わないから」(c)AFP