【9月3日 AFP】オーストラリアで、命に危険が及ぶほど毛が伸びた羊が見つかったことを受け、動物愛護団体が2日、毛刈り人を求める緊急の呼びかけを行い、毛刈りの全国チャンピオンがこの「挑戦」に名乗りを上げた。

 このメリノヒツジは、首都キャンベラ(Canberra)郊外の森林地帯を孤独にさまよっているところをハイカーが発見。王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to AnimalsRSPCA)の地元支部に知らせた。

 RSPCAの職員らは2日朝に現場を訪れ、羊の大きさをいったん確認した後、応援を呼ぶために引き返した。RSPCAでオーストラリア首都特別地域を担当する責任者は「今まで見た中で最大級の羊」「通常の4~5倍の大きさだ」と語った。

 何年にもわたり孤独な環境で過ごしてきたとみられ、毛が伸び放題となっていることや、人間を警戒することから、羊の性別や年齢、体重は明らかになっていない。

 同責任者は、毛刈り人を求める呼びかけをツイッター(Twitter)で出した理由について、メリノヒツジは貴重な羊毛を採るために飼育されており、定期的に毛を刈り取らないと健康に問題が生じ、死ぬことさえあると説明した。

 この呼びかけに対し、「オーストラリア毛刈り職人の殿堂(Australian Shearers' Hall of Fame)」入りしている全国チャンピオンのイアン・エルキンス(Ian Elkins)さんが名乗りを上げた。エルキンスさんはAFPの取材に対し、「写真を送ってもらったが、あんな毛を持った羊は今まで見たことがない」と語り、毛刈りには1~2時間かかる見込みで「私にとって最大級の挑戦になるかもしれない」と述べた。(c)AFP