【9月2日 AFP】レバノンの首都ベイルート(Beirut)で1日、ごみ処理問題をめぐる抗議に端を発し、環境省の庁舎を一部占拠して環境相の辞任を要求していたデモの参加者らを警察が強制排除した。回収されないごみとその対応が不十分な政府をめぐり、同国内では緊張が高まっている。

「You Stink」(おまえは臭い)と題する大規模な抗議運動の代表者の一人によると、同省庁舎の一部を占拠していた数十人が警察によって建物から追い出されたが、その際、数人が負傷した。

 警察による排除が開始されたのは、ムハンマド・マシュヌク(Mohammad Mashnouq)環境相の辞任を求め、デモの参加者らが建物に侵入し座り込みを開始してから6時間後のことだった。

 ごみ問題をめぐり始まった抗議行動は、徐々に政府の無能さと腐敗を批判する抗議行動に発展し、環境省内での座り込みという予想外の形にエスカレートした。

 レバノンでは、ミシェル・スレイマン(Michel Sleiman)前大統領が昨年5月に任期満了で退任して以降、次期大統領が選出されずにいる。また政界の亀裂が深く、内閣も分裂状態にあり十分に機能していない。(c)AFP/Rana Moussaoui