【8月31日 AFP】スイス政府は30日、欧州連合(EU)諸国を目指す膨大な数の移民や難民がバルカン(Balkan)半島を通過している事態を受け、同半島の国々に資金援助する計画を明らかにした。

 スイス外務省は、セルビアやマケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナで深刻化している難民危機への対応を支援するため、この3か国に資金援助を実施する計画があるとした、日曜紙NZZアム・ゾンターク(NZZ am Sonntag)の報道を事実と認めた。

 この報道によると、スイス政府は10万スイスフラン(約1300万円)以上の資金援助を実施する意向だという。だが、外務省の報道官はAFPの取材に対し、援助額はまだ決まっていないと述べた。

■難民の自国受け入れには消極的──スイス世論調査

 一方、スイスの週刊新聞シュバイツ・アム・ゾンターク(Schweiz am Sonntag)は、バーゼル大学(Basel University)が先月1000人以上を対象に実施した世論調査結果を掲載した。これによると、回答者の60.9%が難民危機に対する人道的対応でスイスには先導的な役割を果たしてほしいとした一方で、83.1%もの人がスイスに受け入れる難民を増やすより難民危機に見舞われている国々に惜しみない援助を与える方が良いと回答した。

 また回答者の3分の2が受け入れる難民が多すぎるとスイスの繁栄が損なわれると危惧しており、44.6%がスイス国境を一時的に閉鎖してほしいと答えた。(c)AFP