【8月27日 AFP】男子テニスの世界王者ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が26日、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)の新たな親善大使に就任し、他のアスリートや有名人らと共に慈善活動に加わることになった。

 28歳のジョコビッチは、祖国セルビアで紛争を経験しながら育ち、これまでも同国のユニセフ大使やノバク・ジョコビッチ基金(Novak Djokovic Foundation)を通じて、か弱い子どもたちへの支援を行ってきた。

 ジョコビッチは声明で、「ユニセフの親善大使になれて光栄です。これからも子どもたちの権利の保護と維持に努め、すべての少年少女が早期の保育や教育を受けられるように尽力します」と述べた。

 紛争が勃発する直前の1987年にベオグラード(Belgrade)で生まれたジョコビッチは、幼少期のほとんどをセルビアで過ごしており、これまでも時折テニスについて「神の恵み」であると語っている。

 ジョコビッチは、ユニセフの本部がある米ニューヨーク(New York)で記者会見に臨み、戦争や経済危機で家族が支援に頼っていた経験によって、自身が「より強く」なり、生命の尊さに感謝するようになったと明かした。

 ジョコビッチはさらに報道陣に対して、「残念ながら、僕の国や世界中の多くの貧しい辺境地では、子どもたちが夢をみることができないという環境で暮らしています」と述べた。

 スーツに身を包んだ一児の父親でもあるジョコビッチは、セルビアでは子どもたちが保育園に通学したり就学前のプログラムに参加したりすることができる割合が低い現状も訴えた。