【8月24日 AFP】カンボジアの旧ポル・ポト(Pol Pot)政権時代(1975~79年)に起きた大量虐殺をめぐり、ジェノサイド(大量虐殺)や人道に対する罪で起訴されていたイエン・チリト(Ieng Thirith)元社会問題相が22日、死去した。83歳。国連が支援するカンボジア特別法廷(Extraordinary Chambers in the Courts of CambodiaECCC)が明らかにした。

 イエン・チリト氏はフランスで教育を受けた革命家で、故ポル・ポト元首相の義理の妹に当たる。ポル・ポト派(クメールルージュ、Khmer Rouge)の数少ない女性幹部の1人で、同じくポト派最高幹部だった故イエン・サリ(Ieng Sary)元副首相を夫に持ち、ポル・ポト政権の「ファーストレディー」と呼ばれていた。

 ポル・ポト政権時代には、飢餓や強制労働、処刑などでカンボジア人口の4分の1近くが命を落としたとされる。チリト氏は夫と並んでカンボジア特別法廷に戦争犯罪で起訴されたが、認知症が進行したため裁判の続行は不可能と裁判所が判断。2012年に審理は停止され、チリト氏は釈放されていた。(c)AFP/Suy SE