【8月18日 AFP】タイ首都バンコク(Bangkok)中心部の繁華街にあるヒンズー教の祠(ほこら)のそばで17日、爆弾が爆発し、地元警察によると少なくとも19人が死亡、120人以上が負傷した。同国政府は、外国人を標的とした攻撃だったとの見解を示している。

 爆発があったのは同日午後6時半(日本時間同8時半)ごろ。現場となったのは、ヒンズー教の神をまつった「エラワン廟(びょう)」(Erawan Shrine)前の歩道で、同市有数の人気を誇る高級ショッピングモールにも近接し、当時は参拝者や観光客でにぎわっていた。

 事件は、近年起きた単一の攻撃としては最多の犠牲者を出した。死者にはタイ人10人、中国人1人、フィリピン人1人が含まれている。他の犠牲者の国籍は明らかになっていない。

 現在軍事政権が統治しているタイの首都バンコクは、何年も激しい政治的暴力行為に見舞われてきたのに加え、南部ではイスラム武装勢力による蜂起が10年近く続いており、すでに何千人もの命が奪われた。

 警察当局はAFPに対し、事件は政治的な動機に基づいており、「混乱」を巻き起こすことを目的としている可能性が高いと語った。しかし犯行声明は出されておらず、犯人の身元を示す情報は今のところない。

 またプラウィット・ウォンスワン(Prawit Wongsuwong)国防相は、使用されたのはTNT(トリニトロトルエン)爆弾だったと明らかにするとともに、犯人は観光業に打撃を与える狙いで外国人を標的にしていたとの見解を示した。経済が低迷する同国では、観光が唯一希望をもたらす産業となっている。(c)AFP/Aidan JONES