【8月17日 AFP】米大リーグ(MLB)、ミルウォーキー・ブルワーズ(Milwaukee Brewers)傘下のマイナーリーグに所属するデビッド・デンソン(David Denson)が、地元紙センチネル(Sentinel)とのインタビューで、同リーグでは初めて同性愛者であることを公表した。

 カリフォルニア(California)州出身で20歳のデンソン一塁手は、ルーキーリーグであるパイオニアリーグのヘレナ・ブルワーズ(Helena Brewers)でプレーしている。同選手は、元大リーグ選手で史上初めて同性愛者であることを公表したビリー・ビーン(Billy Bean)氏に相談してから、事実を明らかにしたという。

 同性愛者であることについてデンソンは、コーチ陣にはシーズン前に、チームメートには1か月前に打ち明けた。

 デンソンはセンチネル紙に対して、「チームメートと話して、彼らが僕に自信を与えてくれたおかげで、マスコミに告白することができた」と話している。

「みんなが言ってくれたんだ。『それでも君はチームメートであり、兄弟であることに変わりはない。それぞれ考え方はあるだろうが、君の能力は性的指向とは無関係だ。君が野球選手であることは変わらないし、君を差別することはしない。応援するよ』ってね」

「それを聞いて、すごく安心したよ。彼らに無理強いさせたくはなかったけど、受け入れてもらえた。こういう結果になって驚いている。チームメートには性的指向ではなく、自分自身をみてもらえると分かって、うれしいよ」

 デンソンは昨季、マイナーリーグ1Aのミッドウエストリーグでウィスコンシン・ティンバーラトラーズ(Wisconsin Timber Rattlers)の一員としてプレーし、今季からは主に1年目の選手が所属する下部リーグに再降格となっている。

「これで世間一般の人が、みんな同じ人間であり、スポーツをする仲間であると目を開いてくれることを願っている」と語ったデンソンは、「ここから、どこへ向かうのか楽しみだ。もう今は、後ろに壁はないからね」と前を見据えていた。

 米スポーツ界では、デンソンのほかにも以前から同性愛者の事実を公表している選手がいる。米プロバスケットボール(NBA)ではジェイソン・コリンズ(Jason Collins)、米メジャーリーグサッカー(MLS)ではロビー・ロジャース(Robbie Rogers)、そして米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)では、昨季のNFLドラフトで選出され、今季はカナディアン・フットボール・リーグ(CFL)でプレーしているマイケル・サム(Michael Sam)が同性愛者であることを認めている。

 今年6月には、独立リーグのソノマ・ストンパーズ(Sonoma Stompers)でプレーするショーン・コンロイ(Sean Conroy)投手が同性愛者であることを明らかにしたが、所属球団はMLBや同傘下のチームには加盟していない。(c)AFP