【8月15日 AFP】男子テニスのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)が、試合中に対戦相手を性的な言葉で侮辱したことについて、女子テニス協会(WTA)のステイシー・アラスター(Stacey Allaster)最高経営責任者(CEO)や、往年の名選手マルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏がより厳しい処罰を求めた。

 20歳のキリオスは、開催中のロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2015)2回戦で、全仏オープンテニス(French Open 2015)覇者のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)を中傷するような発言をしたことで、13日に男子プロテニス協会(ATP)から1万2500ドル(約155万円)の罰金を科された。ATPは本件に関する調査を開始している。

 アラスターCEOは、「ニック・キリオスの発言は下品かつ許されないものです」とする声明を出した。

「ATPがその場で判断できる最高額を科したことは評価していますし、今後の手順に従って、より厳しい処分を決定するよう求めます」

 ATPも、今後の調査の結果次第では、キリオスにさらなる処罰が下されると話している。

 キリオスは問題の試合のチェンジエンドの際、「悪いが言わせてもらうよ」と口を開くと、ワウリンカの「恋人」が、同じくオーストラリア勢の友人タナシ・コキナキス(Thanasi Kokkinakis)と関係を持っていたと発言。これがコート上のマイクに拾われた。

 キリオスはワウリンカに謝罪し、トラブルを収束させたいとしているが、激高したワウリンカは、試合中の「信じられない」ようなコメントに適切な対応を求め、ATPが「今度こそ厳重な処分を」下すべきだと話していた。

 今年の初めに離婚したワウリンカは、女子テニスのドナ・ヴェキッチ(Donna Vekic、クロアチア)との交際がうわさされていた。

 ナブラチロワ氏は、ツイッター(Twitter)上で厳格な処分を支持すると、「罰金以上の処分が必要。こんな行いが許されることはない。それは明確です」と不快感をあらわにした。

 女子テニス世界ランク1位のセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)は、意見を言うことによって騒動に巻き込まれたくないとした。

「多くの人が(問題の場面を)目撃したようですが、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2015)でも言ったように、論争には関わりたくないんです」

 キリオスは、13日の3回戦で第16シードのジョン・イズナー(John Isner、米国)に敗れたが、会場に着いたときも、コートを後にするときも、観客から容赦ないブーイングを浴びせられた。(c)AFP