【8月14日 AFP】中国北部・天津(Tianjin)の工業地帯で12日深夜に発生した2つの大規模爆発の現場では13日、軍の原子力・化学部門の専門家らによる調査が開始された。国営メディアが伝えた。爆発による死者は50人に達しており、当局に対して原因説明を求める圧力が強まっている。

 現地報道によると、同国の主要な港湾都市の化学倉庫で発生した爆発では700人以上が負傷。現場には、火に包まれた車、倒れたコンテナ、焼け焦げた建物が見える凄惨(せいさん)な光景が広がっている。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、現場付近では220人近い軍の専門家グループが有毒ガスの検査を実施。また救助隊は、有毒な化学物質が漏れ出している恐れに備え、防護服の着用を命じられている。

 中国共産党の機関紙・人民日報(People's Daily)によると、現場では救助隊員らが、700トンの有害なシアン化ナトリウムの除去を試みている。また、天津市の環境保護当局はテレビ放送された会見で、空気中から有害化学物質が検出されたものの、その量は「過度に高い」レベルではないと説明した。

 発生から24時間が経過しても、爆発の原因が明かされない現状を受け、人権活動家らは安全性を軽視した対策不足によって人命が犠牲になっていると指摘している。

 13日に記者会見に臨んだ当局者らに対しては、爆発した倉庫に入っていた化学物質が何だったのかという質問が相次いだ。しかし当局者らは詳細の公表を拒否し、会見は突然終了された。

 新華社通信によると、爆発が発生した施設は、化学物質を含む危険物のコンテナの保管・輸送センターだった。新華社はまた、警察が同センターを所有する瑞海国際物流公司(Rui Hai International Logistics)の幹部らの身柄を拘束したと伝えている。(c)AFP/Benjamin HAAS