【8月13日 AFP】スウェーデンの検察当局は13日、内部告発サイト「ウィキリークス（WikiLeaks）」の創始者、ジュリアン・アサンジ（Julian Assange）容疑者（44）にかけられている性的暴行など4件の容疑のうち、公訴時効が成立した2件の容疑について捜査を打ち切ったことを発表した。

 アサンジ容疑者は身柄引き渡しを防ぐため、2012年以降、英ロンドン（London）のエクアドル大使館に身を寄せている。容疑4件のうち2件は5年が過ぎ、時効が成立した。

 マリアンヌ・ナイ（Marianne Ny）検察官は「一部の容疑について公訴時効が成立したので、捜査の一部を打ち切らなければならない」と語った。しかし、アサンジ容疑者にはより重大な犯罪である強姦（ごうかん）の容疑がかかっているため、今でも取り調べをしたいことに変わりはないとの考えを示した。

 時効が成立したのは性的暴行と強要の2件の容疑。ほか1件の性的虐待容疑は8月18日に時効を迎える。だがその後も、強姦容疑が2020年まで時効を迎えないため、訴追は可能だ。

 アサンジ容疑者はこれまで一貫して、スウェーデン人女性2人による告訴の内容を否定しており、性的関係は合意のもとだったと主張している。

 スウェーデン法では、時効前に容疑者の取り調べが行われなかった場合には、訴追が不可能となる。

 スウェーデンの検察当局は当初、取り調べのためにスウェーデンに帰国するようアサンジ容疑者に要求していたが、アサンジ容疑者はスウェーデン当局により米国に身柄を引き渡される恐れがあるとして拒否。その後、スウェーデン側はロンドンのエクアドル大使館内での取り調べに要求を変更したが、エクアドル政府が手続きを理由にこれまで承認していない。(c)AFP/Hugues HONORE