【8月4日 AFP】(写真追加)英国の小さな町で、約700年ぶりに地域の道化師が選出され、中世の儀式を再現したイベントでお披露目された。

 ラッセル・アーウッド(Russel Erwood)さん(34)は2日、英ウェールズ(Wales)北部コンウィ(Conwy)の中央広場で行われたイベントで、「アーウィド・ル・フォル」との道化師名を正式に与えられた。イベントでは、鷹匠や騎士のパフォーマンスの他、パレードが行われた。

 選出に際しては、目隠しをした状態での短剣ジャグリング、あごに剣を載せてのバランス維持、金貨を消す手品といったテストに合格する必要があった。そこでアーウッドさんは、木製の棒の先に火のついたバーベキューグリルを載せてバランスをとる大技を披露した。

 中世の道化師たちは、エンターテイナーとして旅をしながら各地で芸を披露していた。時に貴族に雇われると、一族やその招待客を楽しませ、地元住民らにも手品やジャグリングの腕前を披露したという。その他にも、楽器の演奏や物語りの読み聞かせなども行ったといわれている。

 アーウッドさんの前任者となると、13世紀後半に英国王エドワード1世(King Edward I)によって雇われた道化師の「トム・ル・フォル」にまでさかのぼるという。

 プロの手品師でサーカスパフォーマーのアーウッドさん。今月29日まで、1日2回のショーを週3回行う他、市街地各所で手品を披露するという。(c)AFP