【8月4日 AFP】短期金利の国際的指標である「ロンドン銀行間取引金利(LIBOR、ライボー)」の不正操作事件で、英ロンドン(London)の裁判所は3日、英国人元トレーダーのトム・ヘイズ(Tom Hayes)被告(35)に対し禁錮14年を言い渡した。同事件で有罪判決を受けた個人は、ヘイズ被告が初。

 LIBORは消費者ローンから定期預金まで、世界中の金融商品の主要な指標となっている。ヘイズ被告は、東京でスイス金融大手USBと米シティグループ(Citigroup)に勤務していた2006~10年にLIBORを不正に操作したとされる。

 2012年12月に逮捕されたヘイズ被告は当初、既に起訴されていた米国への身柄引き渡しを回避するため英重大不正捜査局(Serious Fraud OfficeSFO)に対し罪を認めた。しかしその後、自分が行ったことは銀行業界では「よくあること」だとして、一転無罪を主張していた。

 公判でサザーク刑事法院(Southwark Crown Court)の陪審は、不正操作共謀など8件の罪でヘイズ被告を有罪と判断。ジェレミー・クック(Jeremy Cooke)判事は、ヘイズ被告が同僚らに圧力をかけて不正操作を指南し、協力したブローカーに賄賂を渡すなど「中心的な役割」を担っていたと指摘するとともに、「被告の行為は不誠実で誤ったものだったと明示しておく必要があり、銀行業界へメッセージを送った」と量刑について説明した。(c)AFP/Alice RITCHIE