【8月3日 AFP】サウジアラビアのサルマン国王(King Salman)が2日、夏季休暇で訪れていた南仏コートダジュール(French Riviera、フレンチリビエラ)を突然、後にしたと地元当局が発表した。サルマン国王一行が休暇を過ごすためにビーチは立ち入り禁止になり、物議を醸していたが、間もなく一般向けに再び公開される見通しだという。

 サルマン国王は、豪華な休暇を過ごすために南仏に到着して8日後、ニース(Nice)空港からモロッコのタンジェ(Tangiers)行きの飛行機に搭乗したと、アルプ・マリティーム(Alpes-Maritimes)県当局はAFPの取材に対して答えた。

 同県によれば、国王は別荘のあるゴルフ・ジュアン(Golfe-Juan)での滞在を切り上げ、総勢1000人の側近のうち、少なくとも半数が同地を後にしたという。サウジアラビア大使館側は当初、国王一行は今月20日ごろまで滞在すると発表していた。

 アルプ・マリティーム県は、国王の別荘周辺に敷かれていた警備態勢は「徐々に解除する」見通しだと発表。別荘前のビーチも、3日には日光浴や水泳を楽しむ一般の人びとに再び公開すると述べた。

 一行の滞在は、王族の安全確保とプライバシー保護のためにビーチが立ち入り禁止にされたことから地元住民の怒りを招き、世界的な話題となって、公共のビーチの「私物化」に抗議して15万人以上が署名する事態にまで発展していた。

 国王の側近の間からは、周囲の視線が不快だとの不満の声も漏れていた。国王一行が滞在を切り上げたのが、ビーチ封鎖をめぐる論争が原因かどうかは今のところは分かっていない。(c)AFP