【7月31日 AFP】米当局は30日、ジンバブエの国立公園で観光客の人気を集めていたライオンのセシル(Cecil)が殺された問題について捜査を開始した。セシルを射殺した米国人の狩猟愛好家で歯科医師のウォルター・パーマー(Walter Palmer)氏には世界中から非難の声が寄せられ、同氏は現在、姿を隠している。

 米魚類野生生物局(Fish and Wildlife ServiceFWS)は、セシルの狩猟に関する捜査を開始したと発表。ツイッター(Twitter)上に、「われわれは、ライオン『セシル』が殺されたことについて捜査している。真相を解明していく。パーマー医師またはその代理人は、直ちにFWSへ連絡を」と投稿した。

 しかしパーマー氏は、ミネソタ(Minnesota)州で開業している歯科医院の前にライオンやトラ、サルなどのぬいぐるみが多数残され、入り口のドアには「Rot in Hell(地獄でくたばれ)」と書かれた紙が張り付けられるなどしており、公の場に姿を見せていない。

 ジンバブエのワンゲ国立公園(Hwange National Park)にいたセシルは公園の外に餌でおびき寄せられ、今月1日にパーマー氏に殺された。

 同氏の狩猟の世話をした地元のプロのハンターは、「違法な狩猟行為を防げなかった」としてすでにジンバブエで起訴されている。一方、30日に裁判所で行われるはずだった、狩猟を許可したとされる土地の所有者に対する審問は延期された。

 一方、パーマー氏が所属していた国際的な狩猟愛好家団体「サファリ・クラブ・インターナショナル(Safari Club InternationalSCI)」は捜査への支持を表明するとともに、同氏の会員資格を一時停止したことを明らかにした。

 同団体は声明で、「SCIは直ちに、本件に関与したハンターとその案内役だったプロのハンター両名の会員資格を停止する措置に踏み切った。捜査の結果が出るまで、資格停止処分のままとする」と発表した。(c)AFP