【7月29日 AFP】米ウエストバージニア(West Virginia)州で、売春婦とみられる女性によって銃を奪われ射殺された男が、連続殺人犯だった可能性が浮上し、警察が過去の殺人事件の再捜査を開始した。

 男は、同州チャールストン(Charleston)で今月18日に射殺されたニール・フォールズ(Neal Falls)容疑者(45)。警察は、同容疑者がネバダ(Nevada)、オハイオ(Ohio)、イリノイ(Illinois)の3州で起きた9件の女性殺害・失踪事件に関与していた疑いがあるとして、捜査を進めていると発表した。

 ウエストバージニア州の事件の捜査を率いるスティーブ・クーパー(Steve Cooper)警部補は28日、AFPに対し「被害者はこれで10人目だが、今回の女性は生き延びた」と語った。

 警察は、フォールズ容疑者の車から、ナイフやおの、大型の刃物やハンマー、プラスチック袋、漂白剤、防弾チョッキ、4組の手錠を発見。クーパー警部補は、「連続殺人犯の道具一式だ」と述べている。フォールズ容疑者の所持品からはさらに、他の女性たちの名前や年齢、電話場号が書かれた黄色い付箋が見つかった。

 フォールズ容疑者は、エスコートサービスの宣伝をしているウェブサイトを通じて女性と知り合い、女性の自宅を訪れていた。女性は先週末、米CBSニュース(CBS News)の取材に対して、フォールズ容疑者は家に入ってくるなり、拳銃を取り出し、生きるか死ぬかどっちがいいかと尋ね、自分の首を絞め始めたと語っている。

 女性は「息が全くできないほど首を絞められたので、私は火かき棒をつかんだ。彼が火かき棒を取り上げようとして銃を置いたので、私は彼を撃った。銃をつかんで、自分の後ろに向かって撃った」と語り、自分の頭の後ろに手を伸ばし、やみくもに銃を撃つジェスチャーをしてみせた。フォールズ容疑者は弾丸を頭に受け死亡したが、女性は正当防衛が認められ、起訴を免れる見通しだ。

 クーパー警部補によれば、フォールズ容疑者のDNAサンプルが昔の事件の証拠と合致するかどうかを確認するため、米連邦捜査局(FBI)のデータベースとの照合が行われている。他の3州で起きた殺人・失踪事件の9人の被害女性たちは、その全員もしくは大半がエスコートとして働き、ネットに広告を載せていたという。(c)AFP/Daniel WOOLLS