【7月28日 AFP】人道的停戦が発効しているはずのイエメンで27日、イランの支援を受けているとされるイスラム教シーア派(Shiite)系反政府武装勢力フーシ派(Huthis)を攻撃しているサウジアラビア主導の連合軍の戦闘機が、親政府派の陣地を誤って空爆し、12人が死亡したと、軍情報筋が明らかにした。

 同日には、フーシ派に対する空爆があったとは報じられていない。しかし複数の軍情報筋が伝えたところによると、連合軍の戦闘機が、南部ラヘジ(Lahj)州にあるアブドラボ・マンスール・ハディ(Abd-Rabbo Mansour Hadi)暫定大統領派の陣地を「誤爆」し、12人が死亡したという。

 同情報筋は、フーシ派が掌握しているアルアナド(Al-Anad)空軍基地を見下ろす丘や、近隣のラドファン(Radfan)で発生したこの誤爆により、死亡者の他に少なくとも30人が負傷したとしている。これについて連合軍側のコメントは得られていない。

 切望されている支援物資の搬入ができるよう、国連(UN)が全当事者に停戦を順守するよう呼び掛けているにもかかわらず、同日にはイエメン各地で地上戦も発生した。

 首都サヌア(Sanaa)などを制圧しているフーシ派は、27日午前0時(日本時間同6時)に発効したとされる停戦について、連絡を受けていないとしている。

 サウジ主導のアラブ連合軍は、国外に退避しているハディ暫定大統領を支援するため4か月前にフーシ派への空爆を開始。今回、緊急支援物資を搬入するためとして5日間の停戦を発表したものの、「軍事的な活動や動向」があれば反撃する権利は留保するとしていた。(c)AFP/Fawaz al-Haidari