【7月25日 AFP】(一部更新)オーストラリア南部タスマニア(Tasmania)州で25日、海に潜ってホタテガイを採取していた40代後半の男性が、一緒に潜水していた20代の娘の目の前でサメに襲われて死亡した。地元ではこれまでサメの被害はなかったとされており、住民の間に不安が広がっている。

 現場はタスマニア州のマリア(Maria)島沖で、周辺ではここ数日大きなホホジロザメが目撃されていた。

 タスマニア州警察のデビッド・ウィス(David Wiss)捜査官やAAP通信によると、娘が船に戻り、父親が漁を続けるため再び潜ったところ、父親は海面に浮上してこなかった。心配になった娘が潜水して父親を捜したところ、父親が大きなサメに襲われているのを目撃した。

 娘は慌てて船に戻り、発炎筒で緊急事態を知らせた。他の船が救援に駆けつけ、空気供給ホースを引っ張って父親を引き揚げたものの、父親は救命できないほど重傷を負っていたという。

 タスマニア州グラモーガン・スプリング・ベイ(Glamorgan Spring Bay)のマイケル・ケント(Michael Kent)市長は地元紙エクザミナー(The Examiner)に対し、現場周辺海域で体長4.5メートルのサメが過去1週間に何度も目撃されていたと指摘した。

 タスマニア・ホタテガイ協会(Tasmanian Scallop Association)のジョン・ハモンド(John Hammond)会長によれば、周辺地域はホタテガイでは有名だが、サメの存在は知られていないという。オーストラリア放送協会(ABC)に対し同氏は、当時は他にも潜水していた人たちがいたと述べ「家族の方々にとっては本当に悲劇だ。(亡くなった男性は)浅瀬にいたのに、突然サメに襲われた」と語った。(c)AFP