【7月23日 MODE PRESS】第24回モンブラン国際文化賞 アート・パトロネージ アワード2015授賞式が開催され、Kバレエカンパニーを主宰する熊川哲也(Tetsuya Kumakawa)が受賞した。

 アーティストや芸術家の支援を通じて芸術の発展に寄与している個人の活動を称える世界でもユニークな「モンブラン国際文化省 アート・パトロネージ アワード」は、1992年に創設された。以来、毎年、芸術および文化の発展・繁栄のために無私無欲で惜しみない支援活動をしている現代のアートパトロンへ、その傑出した功績をたたえる証しとして授与される。今年で24回目を迎える同賞は、中国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、韓国、メキシコ、スペイン、英国、米国、スイスの世界11カ国11名のアートパトロンに贈られた。

 日本では、アーティストのオノ・ヨーコ氏、歌舞伎俳優の市川猿翁氏、指揮者の小澤征爾氏をはじめとする「より広範な人々が、文化的プロジェクトの恩恵に与るべきである」というパトロンとしての意識の高さなどを基準に、選ばれる。

 今回選ばれた熊川哲也氏は、1989年に東洋人として初めて英国ロイヤル・バレエ団に入団し、同団史上最年少でソリストに昇格。93年、プリンシパルに任命された後も、世界を舞台に活躍する。1999年に日本帰国後、Kバレエカンパニーを設立。現在、子どもたちを対象にしたバレエスクールの運営のほか、次世代の精鋭たちによるジュニア・バレエカンパニー「Kバレエユース」の運営などプロのバレエダンサー育成のために大きく門戸を開いている。

■コメント:熊川哲也氏

「日本に帰国した時、バレエは習い事として浸透していましたが、その習い事として終わるのではなく、その延長上にプロのバレエカンパニーを作りたかった。日本のバレエ文化は、コンクール文化でもあります。コンクールのメリットでメリットはありますが、点数稼ぎ、争いごとになってしまっている節もあります。それも大事ですが、プロのダンサーは点数では計り知れない、『感情』を表現しなければなりません。テクニックダンサーが増えてきている現状を踏まえて、技術ではない本質を伝えていきたい。そのためには、これまで自分が経験し、見てきたものを次に継承していき、次世代のバレエダンサーを育成することが大切だと思っています」

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