【7月22日 AFP】ダン・バハドゥル・ブダトキさんが住んでいたネパールの首都カトマンズ（Kathmandu）の17階建て高級マンションからは、ヒマラヤの絶景が見えた。だが、再びあの部屋に戻るには時間がかかるだろう。

 4月25日、ネパールを大地震が襲ったとき、自宅にいたブダトキさんは地面が揺らぐのを感じた。「本当に怖かった」と、派遣会社の社長を務めるブダトキさんは言う。あの日以来、彼は職場に寝泊まりしている。

 マグニチュード（M）7.8の地震により、8800人以上が死亡、60万戸近くの家屋が倒壊した。

 ブダトキさんがカトマンズの高級住宅街に家を買ったとき、耐震性は十分だと言われた。「デベロッパーは、地震でも安全だと言った。最初は11階建てだったが、6階足す許可をもらったという。おそらく、それがこれだけの被害をもたらした理由だろう」と、被害の補償を求める約100人のマンションオーナーやテナントからなるグループの代表を務めるブダトキさんは言う。

 4月の地震以前に、カトマンズでは58棟もの高層ビルが建設され、そのほか数十のプロジェクトが建設許可を取得している。

 ブダトキさんが住んでいたマンション「パーク・ビュー・ホライゾン」は、大規模な再建工事あるいは解体が必要な高層ビル2棟のうちの1つだ。カトマンズの都市開発担当の当局者、ブッディサガル・タパ（Buddhisagar Thapa）氏によれば、まったく損傷を受けなかった高層ビルは6棟。そのほかの50棟は若干の修復が必要だ。