【7月22日 AFP】シリア北部のアレッポ(Aleppo)で取材に当たっていたスペインのフリージャーナリスト3人が行方不明になっている。スペインの記者連盟会長が21日明らかにした。

 スペイン記者協会連盟(FAPE)のエルサ・ゴンサレス(Elsa Gonzalez)会長は、トルコ南部を経由して今月10日にシリア入りしたホセ・マヌエル・ロペス(Jose Manuel Lopez)氏、アントニオ・パンプリエガ(Antonio Pampliega)氏、アンヘル・サストレ(Angel Sastre)氏の3人が、「7月12日以降消息を絶っている」と発表した。

 ゴンサレス会長は、「同地域では激しい戦闘が続いており、懸念に値する理由がある」としながらも、「現時点では『行方不明になっている』としか言えない」と話した。

 ゴンザレス氏は、3人が一緒に取材していたかどうかは分からないとしているが、スペイン公共放送TVEは3氏が共同で調査報道に取り組んでいたと伝えている。

 ゴンザレス氏はAFPの取材に対し、本件についてはスペイン政府から連絡を受けて知ったが、「(同政府も)3人が拉致されたと断定するに至っていない」と語った。

 あるスペイン外務省筋は、「事態を認識しており、対応に当たっている」とAFPに明かした。

 パンプリエガ氏は1982年生まれ。フリーの戦場ジャーナリストで、AFPにもシリア内戦に関する記事を2013年まで寄稿していた。この他アフガニスタンやイラク、パキスタンといった国々へも取材に訪れていた。

 1971年生まれのロペス氏は受賞経験もあるカメラマンで、シリアをはじめ複数の紛争地帯から2013年までAFPに写真を提供していた。

 またマドリード記者協会(APM)のウェブサイトによると、サストレ氏は35歳で、スペインのテレビ・ラジオ・報道機関向けに世界のさまざまな紛争地域を取材していたという。

 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(Reporters Without BordersRSF)」はシリアを、ジャーナリストにとって世界で最も危険な国と位置付けており、同国では2011年に内戦が始まって以来、少なくとも44人のジャーナリストが犠牲になったとしている。(c)AFP/Roland LLOYD PARRY