【7月21日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は20日、イラン核計画をめぐって結ばれた歴史的合意を承認する決議を全会一致で採択した。これにより、同国経済をまひさせてきた制裁解除への道が開かれた。

 国連安保理常任理事国(米英中仏露)にドイツを加えた6か国(いわゆるP5+1)とイランは、2年近くにわたって続けてきた極めて重要な交渉の総仕上げとなる18日間に及ぶ協議を経て14日、ようやく画期的な最終合意に達した。20日の決議採択は国連がこの合意を正式承認したことを意味する。

 これによりイランが合意を守ることを前提に定められた段階的なプロセスが動き出し、2006年以降対イラン制裁を発動してきた7つの国連決議も解除される方向へ進むことになる。

 この決議は国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)が「イランの核合意履行の確認と監視」を行うことになっている。

 イランに履行が求められている合意内容には核分裂性物質生産用の遠心分離機数の制限などが含まれている。今回の決議はイランにIAEAへの「全面的な協力」を求めている。

■解除される制裁、残る制裁

 安保理はIAEAから、イランの核計画が完全に平和的なものであるという報告を受け次第、先に出されている7つの対イラン制裁の国連決議は解除され、20日に新たに採択された決議の規定と差し替えられる。

 解除される制裁には、イランの核活動に関連する物品やサービスの貿易禁止、イランの指定された政府関係者や企業の資産凍結などがある。

 一方、通常兵器と弾道ミサイル技術の販売と輸出の禁止については、前者が5年間、後者が8年間継続されるという。

 もしイランがこれらの合意を履行しなかった場合、安保理はこれら多数の制裁を再発動する手続きを進めることができる。(c)AFP/Jennie MATTHEW