■ラポルタ氏、バルトメウ氏批判は結果に結びつかず

 53歳のラポルタ氏は、2003年から2010年にかけてバルセロナの会長職を務めていた。2008年にはジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督を招へいし、その決断がクラブの黄金期を築くきっかけとなったが、経営面では常に批判を浴びていた。

 今回の選挙戦でラポルタ氏は、ロセール元会長とともに起訴されている状況にもかかわらず、バルトメウ氏が立候補したことを批判していた。

 ロセール元会長は、ブラジル代表のスター、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)の獲得に際して不適切な会計を行ったとして、当局から捜査の対象となり、2014年初頭に辞任した。同氏はラポルタ陣営に属していた時期もあるが、2005年に袂を分かっている。

 その後任で、今回再選したバルトメウ氏は、ロセール元会長の下で副会長を務めており、ネイマールの問題で裁判にかけられることが決まっている。

 ラポルタ氏はまた、カタルーニャ(Catalonia)自治州の独立の是非について、バルトメウ氏が立場を明確にしていないことも非難していた。対照的にラポルタ氏は、独立支持の姿勢を鮮明に打ち出しており、ここ8年は政治にも携わっている。

 ラポルタ氏は、自身が会長だったころのような「価値ある存在」にクラブを戻すと宣言しており、名高い育成組織、「ラ・マシア(La Masia)」出身選手を大切にすることや、ユニホームの胸のロゴをユニセフ(Unicef)に戻すことなどを強調していた。

 その一方でラポルタ氏は、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)なども狙っているとされているユベントス(Juventus)のポール・ポグバ(Paul Pogba)獲得にも自信をみせていた。

 しかし、バルセロナは現在、国際サッカー連盟(FIFA)から新戦力の選手登録を禁止する処分を受けているため、新たに獲得した選手も、年が明けるまでは公式戦に出場することができない。(c)AFP