■海面の上昇

 これらの観測結果について、NOAAの国立環境情報センター(National Centers for Environmental Information)のトーマス・カール(Thomas Karl)所長は、「世界の状況には、かなりの一貫性が認められる」と指摘する。

 2014年、世界の海水温度は過去最高を記録した上、海面も近代史上で最高水位を記録した。

「海洋温暖化と陸氷融解の両方の影響により、2014年の世界平均海水面は過去最高に達し、(人工衛星による海水面観測が始まった)1993年の年間平均を67ミリ上回った」と報告書は述べている。

 ジョンソン氏によると、海は、化石燃料の燃焼で発生する熱とCO2の大半を吸収するため、地球温暖化を測る優れた物差しになるという。

 しかし、人間が化石燃料の使用を抑制する強硬な対策を講じたとしても、近い将来に温暖化の傾向が反転することはないとジョンソン氏は話している。

 同氏は、「温暖化の傾向は、弾み車や貨物列車に似ていると思われる。動かすには大きな後押しが必要だが、いったん動き出すと、その後も長い間動き続ける。途中で押すことを止めたとしてもだ」と説明した。

 同報告書の完全版は、米気象学会紀要(Bulletin of the American Meteorological Society)に掲載される。(c)AFP/Kerry SHERIDAN