【7月17日 AFP】(写真追加)米テネシー(Tennessee)州で16日、武装した男が軍関連施設2か所を相次いで銃撃し、海兵隊員4人が死亡、警察官と海兵隊の新兵採用担当者を含む3人が負傷した。当局者らが明らかにした。「国内テロ」行為の可能性も視野に入れた捜査が始まっている。

 まず襲撃を受けたのは、同州チャタヌーガ(Chattanooga)にある海軍海兵隊予備軍センター。海兵隊は、撃たれた海兵隊員4人全員が死亡したと明らかにした。次いで同じ男が、同センターから数キロ離れた場所にある新兵採用センターを襲ったという。

 チャタヌーガのアンディー・バーク(Andy Berke)市長は記者会見で、実行犯はその場で射殺されたと発表した。同州の事件現場2か所を含む地域を管轄する連邦検事は、これらの事件が「国内テロ行為」として捜査されていると明かした。

 一方で結論を急ぐべきではないと慎重な態度を取っている当局者もいる。米連邦捜査局(FBI)の特別捜査官は、国内あるいは海外からのテロ行為なのか、あるいはテロ以外の犯罪行為なのか、「あらゆる可能性を考慮している」と話している。

 FBIは射殺された銃撃犯をモハモド・ユスフ・アブドゥルアジス(Mohammod Youssuf Abdulazeez)容疑者(24)と特定した。地元のテレビ局WRCBは、アブドゥルアジス容疑者は2012年にテネシー大学(University of Tennessee)を卒業したと伝えたが、いまのところ同容疑者についての情報はほとんど明らかになっていない。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、「胸が張り裂けるような」事件だと述べ、犠牲者の遺族のために祈るよう米国民に呼びかけた。

 今回の連続攻撃は、米で過去に発生した軍関連施設を標的とした攻撃を想起させるものとなった。2009年にはテキサス(Texas)州にあるフォートフッド(Fort Hood)陸軍基地への銃撃で13人が死亡、2013年には首都ワシントン(Washington D.C.)の海軍施設が攻撃を受けて12人が死亡した例などがある。(c)AFP/Chloe Morrison