【7月16日 AFP】インドで、出自が異なることから結婚を禁じられたカップルが、愛の記念碑である霊廟タージマハル(Taj Mahal)で自分たちののどを刃物で切る事件があった。心中を図ったとみられる。2人は病院に搬送され、現在、治療を受けている。

 警察当局によると、2人は15日午後、タージマハルの敷地内で血まみれで横たわっているのを発見された。現在の容体はともに安定しているという。警察幹部は「一方がヒンズー教徒でもう一方がイスラム教徒だったこのカップルは、タージ(マハル)で自殺を図った」と語った。女性が先にのどを切り、男性が続いたという。

 伝統的な身分制度のカーストや宗教の異なる者同士の結婚は、インドの一部地域で今でも厳しく非難される。家族の尊厳を守るためとされて行われる「名誉殺人」につながることもある。

 インド紙タイムズ・オブ・インディア(Times of India)によると、男女はそれぞれラジビール・シン(Rajveer Singh)さんとシャブナム・アリ(Shabnam Ali)さん。シンさんは同紙に対し「シャブナムも私も結婚を認めてもらおうと両親をがんばって説得したが、宗教の違いが最大の障壁になった」と語った。「(心中を図ったのは)一緒にいるための他のあらゆる方法に失敗した後だった」

 人気観光地のタージマハルは、ムガル(Mughal)帝国の皇帝シャー・ジャハーン(Shah Jahan)が、1631年に出産が原因で死亡した王妃の墓として建設した。(c)AFP