【7月14日 AFP】インドネシアの裁判所は13日、オランウータンの赤ちゃんの違法取引で有罪となっていたインドネシア人の被告に、禁錮2年を言い渡した。同国司法当局が明らかにした。被告はバックパックにオランウータンの赤ちゃんを隠して違法に取引をしようとしていたとされる。野生生物をめぐる同国での裁判でこのような判決が下されるのは異例という。

 同国スマトラ(Sumatra)島西部メダン(Medan)の裁判所は先週、バスト・ハリス・ナスティオン(Vast Haris Nasution)被告に対し、オランウータンの売買を禁じる法律に違反した罪で有罪の判断を下していた。同被告には、罰金1000万インドネシアルピア(約9万円)の支払いも命じられている。

 北スマトラ(North Sumatra)県で野生生物の密売を監視する資源保護当局によると、ナスティオン被告は今年2月、絶滅危惧IA類(近絶滅種)に指定されているスマトラオランウータンをバックパックに隠し持っていたところ当局に身柄を拘束された。

 野生のスマトラオランウータンの生息数は現在6000~7000頭。毎年、密猟や森林破壊によって数百頭が死んでいると推定されている。

 救出されたオランウータンの赤ちゃんは、スマトラオランウータン保全プログラム(Sumatran Orangutan Conservation Programme)の保護を受けており、最終的には元の生息環境に戻される予定という。(c)AFP