【7月12日 AFP】ブラジル・マトグロソドスル(Mato Grosso do Sul)州の州都カンポグランデ(Campo Grande)の水族館で展示予定の1万匹以上の魚が、仮飼育されていた水槽で死んだことが、地元メディアの報道で明らかになった。地元当局と魚の取扱業者が責任を押し付け合っている事態を踏まえ、地元検察当局は過失がどこにあったか調べを進めている。

 11日のブラジル紙フォリャ・ジ・サンパウロ(Folha de Sao Paulo)によると、同州の前知事が「世界最大の淡水魚水族館」と呼んだ総工費5300万ドル(約65億円)の水族館は昨年末に完成する予定だったが建設作業はまだ終わっておらず、完工日は未定となっている。

 魚の中にはアフリカやアジア、オセアニアなど調達されたものもあり、委託を受けた企業アナンビ(Anambi)が昨年11月から検疫していた。同社が5月に出した文書によると、南半球のブラジルが冬に近づく中、魚の80%が水温低下で死んだと説明している。

 アナンビのアウグスト・シルバ(Augusto Silva)氏は同紙に対し、「今年1月から2月の間に魚を(水族館に)移す予定だったが、水槽の準備がまだ整っていなかった」と語った。その一方で地元当局は、仮飼育用の水槽に酸素供給不足や細菌の繁殖、不十分な清掃といった技術的問題があったと主張している。(c)AFP