【7月11日 AFP】(写真追加)米南部サウスカロライナ(South Carolina)州で10日、州議会議事堂の敷地内に掲揚されていた南部連合旗(南軍旗)が撤去された。この南部連合旗は、同州の黒人教会で先月発生した白人による銃乱射殺人事件で9人が殺害された後、問題となっていた。

 南部連合旗は多くの人々に人種差別と奴隷制度の苦々しい象徴として見られており、現代の米国ではその存在が無意味であるという意見も多い。同州州都のコロンビア(Columbia)の議会には10日、大勢の観衆が集まり、南部連合旗が撤去されると、大きな歓声が上がった。

 同国初の黒人大統領でもあるバラク・オバマ(Barack Obama)大統領はツイッター(Twitter)で、同州議事堂からの南部連合旗撤去について「善意と癒やしの兆候であり、より素晴らしい未来への意義ある第一歩でもある」と述べた。

 サウスカロライナ州は南部連合が誕生した地であり、同州では1960年代初頭、当時国内で湧き上がっていた公民権運動に反して、同州議会議事堂に同旗が掲揚され、物議を醸していた。その後2000年に、旗は州議事堂の敷地内の南北戦争記念碑の隣に設置された10メートルの旗ざおに移動された。

 しかし先月17日、同州チャールストン(Charleston)で、21歳のディラン・ルーフ(Dylann Roof)容疑者が、エマニュエル・アフリカン・メソジスト・エピスコパル教会(Emanuel African Methodist Episcopal Church)で聖書の勉強会中の黒人9人を射殺する事件が発生した後、同容疑者が南部連合旗と銃器を誇示する写真が発見され、旗をめぐる議論が再燃していた。(c)AFP/Robert MacPherson