【7月9日 AFP】国連(UN)安全保障理事会は8日、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1995年7月に起きた「スレブレニツァ(Srebrenica)の虐殺」を「ジェノサイド(大量虐殺)」として非難する決議案を採決したが、常任理事国のロシアが拒否権を行使し否決された。

 スレブレニツァの虐殺では、8000人近くのイスラム教徒の男性や少年がボスニアのセルビア人部隊に殺害され、第2次世界大戦(World War II)以後に欧州で起きた最悪の虐殺事件となった。

 決議案は、事件から20年の節目に合わせ、英国が提出。安保理15か国のうち、アンゴラと中国、ナイジェリア、ベネズエラが棄権し、10か国が決議案を承認した。

 セルビアの大統領はロシアによる拒否権行使について「セルビアにとって素晴らしい日」と述べ歓迎した。一方、被害者家族の支援団体「スレブレニツァの母(Mothers of Srebrenica)」の代表は、「われわれの子どもたちを殺した犯罪者を支援している」とロシアを非難した。(c)AFP/Carole LANDRY