■サンゴは動物、世界ではその数が95%減少した地域も

 マイアミ大学の大学院生、ニコール・ビズマー(Nicole Besemer)さんは、サンゴの一部は切られた後も成長し、新しい場所でも育つことに驚いたと語った。

 サンゴは岩や植物のように見えるかもしれないが、実際にはクラゲやイソギンチャクと同じ仲間の動物である。それぞれのサンゴは「ポリプ」と呼ばれ、ポリプが増殖すれば礁も育つ。大半のサンゴは海中に卵子と精子を放出して繁殖していく。

 サンゴ礁は、魚やカメ、タツノオトシゴ、ウニ、その他の生物に食料や住みかを提供するため、重要な存在だ。だが世界ではその数が50から95%減少した地域もあり、サンゴ礁は危機にさらされている。

 マイアミ大学のディエゴ・リルマン(Diego Lirman)准教授(海洋生物学・生態学)は、イスラエルやフィジー、インドネシア、フィリピンなどの国々の研究者たちがサンゴ・ガーデニングの技術を生み出したとしてその功績を認めている。現在ではフロリダの研究者も含めて国境を越えて知識を共有することにより、技術が完璧になったと言う。

 フロリダとカリブ海(Caribbean Sea)域で行われているサンゴの復元活動で主要な役割果たしているのが、サンゴ復元財団(Coral Restoration FoundationCRF)だ。約10人のスタッフで運営され、大勢のボランティアを定期的な活動に案内している。

「私たちは急成長する段階にある」と話すCRFのケン・ネデマイヤー(Ken Nedimyer)代表によると、同財団の苗床は現在フロリダに500個あり、そこから4万から5万のサンゴが成長している。(c)AFP/Kerry SHERIDAN