【7月7日 AFP】ハンガリー議会は6日、移民の流入を防ぐフェンスをセルビアとの国境に設置する計画を圧倒的賛成多数で承認した。移民申請の厳格化を目指す新法の一環だ。

 オルバン・ビクトル(Orban Viktor)首相が先月発表したセルビアとの国境175キロにわたって高さ4メートルのフェンスを築く計画は、セルビアのみならず中東やアフリカからの大量難民の流入問題を抱える欧州連合(EU)からも問題視する声が上がっていた。

 ハンガリーのピンテール・シャーンドル(Pinter Sandor)内相は議会での採決を前に「ハンガリー史上例をみない規模の移民急増に直面し、受け入れ能力を130%も超えた状態だ」と訴え、議会は賛成151、反対41でフェンス設置を含む新移民対策法案を承認した。

 新法の下では亡命申請規則も厳格化され、移民の一時収容や移民認定プロセスの迅速化、移民からの不服申し立ての制限なども認められることとなる。

 この2年間、ハンガリーはアフガニスタンやイラク、シリア、コソボなどからドイツやオーストリアを目指す人々の主要経路となってきた。

 セルビアと異なりEU加盟国のハンガリーはEUのシェンゲン(Schengen)協定にも参加しているため、移民もいったんハンガリーへの入国が認められれば旅券(パスポート)なしで加盟国域内を移動することが認められる。(c)AFP